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アーゴウ アイリッシュ 芥川竜之介 アシモフ 阿刀田高 アルレー アンジェイェフスキ アンダーソン |
池波正太郎 井上ひさし 井上靖 井伏鱒二 |
ウィンチェスター ウールリッチ ウェストレイク H.G.ウェルズ 内田百 ウッズ |
エイメ エルロイ 遠藤周作 |
大岡昇平 岡本かの子 岡本綺堂 小川未明 |
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主客転倒かも知れませんが、ヒッチコックの作品を読んでいるようでした(もっとも『裏窓』の原作者なので
あながち全然無関係である訳ではないのですが)。 現代の感覚で、少なくとも僕の趣味で読んでしまうと味付けが大人しい…と言うか洗練され過ぎているのですが 作品全体の雰囲気がシッカリしているので楽しめます。複数の筋が交錯して展開するのですが、整理されており 丁寧に書き込まれているのでシンドくないですし。 作中のニューヨークはむしろ現代の東京により近く感じられるので、休日などに気軽に読むには最適の一冊かと 思います。身近と言う意味で、ですけど。 蛇足。 表紙もまた素晴らしいのですが、個人的には読んでいてホッパーの“ナイトホークス”を思い出しました。 作品の背景に出て来ても良いんじゃないか知らん? |
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不勉強なもので『羅生門』やら『河童』などでしか芥川を知らなかったのですが、いろいろと読めて知らない顔を見た
思いも出来て面白かった。ただ全体的に試作品的な印象の作品も有り、長生きしていれば多彩な花を咲かせていたろうに
…と残念に思わなくも無いのですが。コレって、早世したと知っているからかなぁ? 惜しむらくは基本的にある程度以上の知識や教養を必要としているので、解説の助けが無いと辛いかもしれません。 僕の場合はたまたま知っている分野だったので(例えば『秋山図』では黄公望などの名前が出てくる)それほどシンドくは なかったのですが…。 解説によれば『開化の殺人』と『開化の良人』、『舞踏会』は緩やかな連環を生しているそうで、なるほど そうして読むと非常に奥行きが広がります。もちろん個別に読んでも一幕物のように楽しめますが、行間ならぬ“作品間”を 読む感じとでも言いましょうか? |
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【関連作品】 ・ピエール・ロチ『秋の日本』(角川文庫)所収「江戸の舞踏会」 前述『舞踏会』の元ネタとも言える作品。ただしネタを頂戴したと言うよりは、返歌だと言う方が正しいのかもしれません。 ロチが参加し観察もしている舞踏会で、そのロチの相手をした少女の回想が芥川の作品になっています。 思えば初見は大学時代、文章表現演習の講義ででした。先生お元気でしょうか?あな懐かしや♪ 井上ひさし『不忠臣蔵』 「或る日の…」とは逆に討ち入らなかった、または討ち入れなかった人物たちを扱っています。 |
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なんというか、こう病んでいるなぁ…と。精神的に疲れ果てて頼った薬で壊れたのか、はたまた?彼が現代に生きていたらどういう診断を下されたのか、
また楽にしてあげられたのか(比喩的な意味でではありません)と興味のあるところですが、単純に読み物としてはシンドいですね。 「玄鶴山房」くらいならまだ辛いなぁと読めますが。 |
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大好きな映画『悪魔を憐れむ歌』と同じ悪魔の名前に釣られて読んだのですが、止めるめとくんだったと
正直後悔しています。なんか非常に中途半端な作品集でした。 アザゼルのキャラクターがなんともハッキリしていないのに加えて、語り手(全体の語り手である“わたし”が、 ジョージの話を一人称で引用するので更に“わたし”が居る。この場合ジョージの方)についても魅力に欠ける。 話にもキレが無く、もっと短いページ数の方が良いのではないかと思いました。嫌味ではなく、本心から。 |
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所謂一昔前の“中間小説”ってこんな感じだろうなぁと楽しんで読みました。“中間小説”の定義が違うかもしれませんが。 短編集として統一が取れていないのは連作ではないので当然でしょうが、ナンとなく玉石混交な気がしなくも無かったりします… 個々にドレが良かったとか上げるつもりは有りませんが。大別するに大袈裟な、現実に起きたら新聞沙汰になるようなモノよりも 日常的な話の方が良かったかなと。 |
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短編集の筈が全て長く感じた。 思うにネタと紙数が合っていないのだろう。この半分くらいにと制約されていたら格段に面白かったように思う。ところどころで誰かに話したくなる ネタが有るだけに、水増しというかフラつきが目に余る。 全体としても一冊に纏めなくても良いように雑多な印象を受けなくもない。実際には月刊誌に一年に渡り連載されたらしいのだが…。 |
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どれも面白いのですがなんとなく寄せ集めに思えなくもないんですよね。ミステリーのような味わいで始まる短編集ですが、ちょいとスケールが大きくなり
やがて僕の好みからもズレて行く。いや、ズレるのではなく最初の方の作品から期待していたジャンルから外れていくとでも言うべきでしょう。もちろん
一定である必要は無いのですが、蕎麦を食べる気満々なのにラーメンが出て来たような気分です。そのラーメン自体は美味しくても“口”が蕎麦になってちゃ
微妙でしょう。 もちろん僕の勝手なんですが。 ちなみに中国語まで飛び出した「サン・ジェルマン伯爵考」の生命感は非常に興味深く、どこかで誰かに言いたくなるのが困りもの。 |
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言っちゃナンですが大した作品とは思えず、また過去に読んだアルレーの印象からしても弱い作品。 なんとはなしに読ませはしますがセレだけ、というか? 途中で主人公が設定から予想されるような、お約束な純真無垢で可憐なヒロインではないと行動で 示してくれる辺りはさすがと思わせられ、期待をしてしまうのですが…結局普通かなぁと。 もう少し仕掛けを大きくするか細かく心理戦に持ち込んでくれていれば、印象は変わったかと思うんですけどね。 |
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目が覚めたらまるで知らない家、そして覚えのない“家族”に囲まれていた…という冒頭、更に主人公がその後混乱していく様子は面白かったのですが
途中からズレた気がしました。最後まで密室劇で行くのかと思いきや。 どうせ出すならもう少し早く出しておいても良かったんじゃないかしらん? 全く個人的な印象なのですが、どうしても『12モンキーズ』のラストが浮かんでしまった。テリー・ギリアムで映画化…なんてコトばかり考えてるなぁ、 僕。 |
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作品の背景について冒頭の解説で丁寧に説明はされているのですが、それでもやや難しい。元から馴染みが無いから仕方が無いと言えばソレまでですが。
ただ面白いコトは面白い。戦後の混乱期と様々な世代が描かれているのですが退廃的な大人たちの夜やら、若い世代の遊び輝く日差しなどが印象的でした。 映画化作品の断片的な記憶からもっと重厚長大なイメージが有ったのですが、マーチェクの心境の変化などは意外でした。女性のキャラクターなんて 記憶無いモノなぁ。またラストシーンはゴダールの『勝手にしやがれ』っぽいかな、なんて思ったりしました。『第三の男』のような痛切さと言うより 惚けた「運の尽きか…」的な雰囲気が。勝手なイメージですけど。 個人的な欲を言うと、もう少し訳文がゴツゴツとした味わいだと良かったように思います。ちょいと読み易過ぎるかな、と。 |
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本来なら俺はベトナムで死ぬ筈だったのに…と生き残ったコトを契約不履行のように感じている
主人公の“死”を描いた作品。 面白いと言うよりも良い作品と言うべきか。 一つ一つが作品として成立するであろうエピソードを惜しげもなく削り、単なる挿話としているのが 効果的で、警察の過酷な勤務(個々の重大事件が同時期に平行して起こり、かつ途切れるコトもない)が 迫力十分に伝わってくる。ただ主人公の過去を執拗に洗い続ける刑事や、淡い恋心の対象である女性 警官とのエピソードは柱としてもう少し描きこんでも良かったのではないか?特に前者については 食い足りなかった。 個人的に印象的な描写は切り刻まれた肉体の表現で、カエル、人間、犬と区別なく生き物であると 言う生々しさと、更には匂いまでするようだった。 |
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年少の読者向けに書かれたのだそうですが、批判的に読める大人になってからで良かったとしか言い様がありません。 若い頃はいざ知らず、信長って果たして英雄として褒め称えて良いんですかね?梟雄とでも言った方が合う気がします。 ヒトをヒトとも思わない酷薄かつ冷酷な性格、自分を神と言い切る誇大妄想癖…言っちゃなんですがアリャ異常だべ。 「信長は何故殺されたのか?」なんてテーマを時々テレビなどで見かけますが行状を見れば殺されて当然で、もう○年生きて いたらなんてのはナンセンス。本能寺の変を生き延びても別の人間に殺されただけなんじゃないですかね。 考証も古いのですが、それは仕方ないですよね。 |
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【関連作品】 ・合わせて読んだ同時代を描いた作品はコチラ 『花落ちる智将・明智光秀』笹沢左保 →本能寺の変を反逆する側から描いた作品。僕としては本書の信長像に説得力を感じました。 『反逆』遠藤周作 →松永久秀、荒木村重、明智光秀と続く信長への反逆の歴史と秀吉の“天下取り”まで。 『秀吉と武吉目を上げれば海』城山三郎 →前掲書では背景でしかなかった毛利方の様子が描かれています。本能寺以前から関が原の合戦まで。 『逆軍の旗』藤沢周平 →光秀を生身の人間として描き、そのアヤフヤさが非常にリアルでした。 |
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最初はテンポがとろく感じられ、所詮は昔の小説だ…と思っていたのですが面白く読み終わりました。 何時の時代も冴えないヤロウの青春は似たものかな、とやたらと劇的かつ華やかな他のフィクションと違い共感の 一つも感じられたりして。これなら自分が同年代の頃に読んでも楽しめたでしょうね。 その要因は大人がシッカリと描かれているコトではないかと思われます。 しっかりと人物造形が成されており、それがほんの少しのシーンでキッチリと生きています。ラストもなんとなく 良い味わいで、あぁモンキー・パンチ辺りが漫画にしてくれないか…無理だな、多分。 |
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フィクションと割り切って楽しんでいる分には文句はないのですが、半ば史実とされているのがひねくれ者としては
気に入らない。『西遊記』は歴史小説で孫悟空や沙悟浄らは実在したというようなものではないの? で、本書です。 彼らはなぜ討ち入りに参加しなかったのか、または出来なかったのかを一人語りの連続で明かしていくというのがまず面白い。 そのまま舞台で観たいもんだと思ったら朗読劇として上演されたコトもあるそうで、そりゃそうだよなと納得。 各章は主題となる人物の名ですが、いずれも読み進めて行かないとその人物と語り手との関係や、時代が判らないのがミステリー 仕立てのようでページを捲る手が止まらなくなります。パターンは幾つかに別れ、ブラックな笑いに包まれたモノ(ただし笑えない …素晴らしく面白いんですが)や、討ち入りその他に批判的なモノ。また一方で本家『仮名手本忠臣蔵』は知りませんがそのサイド ストーリーのようなものも有ります。更には城の明け渡しに伴う実務の煩雑さや切腹の作法に始まり、アレコレの豆知識も上手く 盛り込まれております。 お薦めの一冊です。 【余談】 それにしてもなぜ彼らは吉良邸に押し入り虐殺しまくったのか、理解出来ません。各登場人物の台詞を借りて言うなら内匠頭の 行為は侍として下手くそ、大名としては失格。大石も家老として失格で、討ち入りなぞ残される者には傍迷惑でしかない。 現代人の感覚で裁くのは過ちの元ですが、これらは当時から判っていた筈なのになぁ? 当初の望み通りお家再興がなされていたら、せめて再士官が容易だったら彼らはそれらを捨てて討ち入りをしたのかしら?亡君の無念を 晴らし公儀を批判しるのが目的ならば、とっとと討ち入って泉岳寺で腹を切りゃ良いのにさ?片付けは大変だろうけど。 【更に余談】 赤穂事件の30年だか前に浄瑠璃坂の仇討ちというのがあったそうです。標的の家へ押し入るのに徒党を組み火消し装束に身を包んでいた そうで、この辺りを大石らは参考にしたのではないか、とは少し検索すれば散見される意見です。 また敵討ちを果たした後に出頭したのも同じです。もっとも浄瑠璃坂の方は最終的に井伊家召し抱えになりますが、赤穂事件は ご存知の通り。あわよくば自分たちもと考えていたのなら…ま、コレも同じ意見の諸兄が多々いらっしゃいますね。 もう一つ考えてみたい浄瑠璃坂の赤穂事件への影響として、周囲の声はどうか? 町人らの赤穂の浪士も当然やるだろう、やらない筈がない、というプレッシャー。また浪士らにしてみれば、仇討ちという一大イベントの 登場人物になれるという自己陶酔も有ったんじゃないかしらん? 芥川の「或る日の大石…」などはその辺りを突いているのではないかと思うんですが。 |
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タイトルにもなっている主人公そのものを登場させず、周辺にいた人物たちに語らせるという趣向が面白かった(珍しくは無いと言われそうですが)。 惜しむらくは不勉強なので註を頼りにしてもシンドかったんですがね…史学科卒ですが政治史には興味が無かったしなぁ。勿体無い話だ。 |
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元寇の役を高麗の立場から…というので手に取ったのですが、本当に高麗にとってのみでした。もちろん元も出て来ますが、日本における戦役は
伝聞としてしか出て来ません。出てくる日本人は連れて来られたモノだけで、日本の史書に出るような人物は皆無です。 スッキリしているよなぁ。 篠田一士の解説にも有りますがやはり印象に残るのはフビライその人。高麗を襲う暴風雨は彼の気分次第とでも言う感じで、権力の恐ろしさが 際立ちます。いやホント、島国で良かったぜ…なんて言っちゃイカンか? 井上靖って中学時代には面白くもナンとも無かったのですが、大人になってみると面白いですな。もう少し学生気分が残っている頃なら更に 知識やら読解力が残っていて楽しめたろうにと残念ですが。 |
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最初は古風な読み物として読み始めたのですが、いつの間にか取り込まれていました。 特に最後の合戦のシーンは霧を衝いて現れる上杉の軍勢が自分が武田の足軽になったような迫力で感じられ、 絵巻物に引きずり込まれたようでした。藤沢周平を読むとどうしても映像を想像してしまいますが、コチラは 文字通り“文字”という感じです。 不勉強なので山本勘助が果たしてこの小説のように生涯を閉じたのか(実在かどうかは別にして)知りませんが、 作品としてはこの終わり方以外に無いのではないかというくらい見事でした。 |
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中学くらいの頃から夏休みの課題図書として名前を知っていた本書ですが、オッサンの今になってから
読んで良かったと思いました。吉村昭もそうですが、ガキの頃の僕には面白さが判らず退屈なだけでしたろうから。
実際『蒼き狼』や吉村『海軍零式戦闘機』なんて退屈でなりませんでした。 事前に持っていた知識から鑑真和上がいかに艱難辛苦を乗り越えて来日されたか…という話だと思っていたのですが、 主人公は高僧を日本に呼ぶべく奔走する留学僧であり、興味深いのは何事をも成し遂げえず史書に残らない脇役たちでした。 うーん、我ながら老けたなぁ…いやいや深みが増した、と思いたいんですが。 |
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どれもスッキリしない感じだが芥川賞受賞時期の作品とすると、なるほど新人賞としての先見の明が証明されているのだな、と。なにしろ解説では
“井上くん”だもの。 終戦直後に関西で新聞社が闘牛を企画するという『闘牛』はもっとカフカみたいに不条理にズルズルと展開していくのかと思ったが、意外に 素直だなと思ったりしたのだが、一番興味深かったのが『比良のシャクナゲ』で、老人の不機嫌な混乱ぶりがブラックな笑いを感じさせたのだが、 この読み方は意地が悪いかなぁ。 |
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僕自身はまるで釣りをしないのですが、非常に楽しく読みました。 渓流の様子などまるでそこに自分が居るように感じられますが、これはやはり好きなコトを文章巧者がリラックスして書いているからではないかと 思われます。そのどれか一つでも欠けたら違和感を覚えたでしょう。 前述の通り僕は釣りをしないので釣りの好きな方がどう読まれるかは判りません。しかし釣りをしない人でも楽しめるのは受け合えます。 |
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解説を読んで成程と思ったのですが、本書はフリーマントルの別名義による作品です。それも印象としては代表作であるチャーリー・マフィン
・シリーズではなく、それ以前の『別れを告げに来た男』の味わいでしょうか。 派手な仕掛けが有る訳でもなく、むしろ主人公と同じく目立たないようにと心掛けているかのように抑えた描写が大人の読書に最適…とでも いうべきかしらん? 終わり方はさすがと言うか…しかし解説で触れていた続編は無いようです。まぁ無い方が良いようにも思えますが。 |
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一読してなるほど“夜の詩人”なのだなぁと納得。闇の中に花の香りが漂ってきそうな描写は見事。また(僕の目が節穴なだけかもしれませんが)
未完成の作品を完成させたブロックの筆跡も目立たず読み易いです。 ただ結末はやはり解説者の推測するような「やや下向き」な方が相応しく思えました。もっともブロックによるウールリッチへの愛情表現、手向けの 花であると考えれば甘さも切なく受け入れられますが。 |
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それなりに面白かったのだが、緊迫感やユーモアに欠ける気もする。勿論コレは個人的な好みなので、同じく読みまれた諸兄の中には僕を
悪趣味と思われる方もいらっしゃるでしょうが。 いずれにせよ裏表紙の紹介にあるようにハイスミスやトンプスンと比べるのはどうかしらん? ハイスミスほど宙ぶらりんな不安感が漂う訳ではなく、トンプスンのように突き抜けてもおらず…と言うところだとおもうのですが (それ以前にトンプスンって何人が判るのよ)? |
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モロー博士により創造された動物人間ですが、描写が浅いので逆に想像の域が広がり非常に鳥肌が立ちました。
でもその勢いで映像化するとイメージの固定に繋がり、失敗に至るのではないかと要らぬ心配をしたりして? ウェルズの作品はガキの頃に「タイムマシン」などを含んだ短編集を読んだのですが、ナニがなんだか判らずに 終了。今回は有る意味で再挑戦でした。 結論としては“SF作家”という思い込みが無ければ面白く読めたのにな、と自分の無知が残念でした。実際カバーの 紹介文には「SF・怪奇短編集」と有るし。個々にドレが良いとかは省略しますが全体としては「怪奇」に分類される 作品の方が面白く読めました。「SF」に当たる作品は“思いつき”で終わっている感じです。当時としては約40年後の 新聞が届く…なんてのはそれだけで充分だったのかもしれませんが? 余談。 恥を承知で書き加えると、ウェルズをアメリカの、ヴェルヌをイギリスの作家だと思い込んでいました。前者は オーソン・ウェルズのラジオドラマの所為で、後者は主人公にイギリス人が多かった印象からと思われます。 実際にはウェルズは主として20世紀前半(代表作は19世紀最末年発表)の作家で、ヴェルヌは19世紀後半に活躍して いたそうです。その辺りを知った上で読み直したら印象も変るかしらん? |
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表紙の写真からして想像出来ようと言うモノですが、とにかく偏屈な爺さんの旅行記で読者としては随行者の災難やらナニヤラを
対岸の火事として楽しむばかりです。そういう意味では楽しく読めました。 しかしアレですな、とにかく移動が目的であり到着した先に用は無い…という気分は多いに判りますね。僕自身楽しいのは駅や空港で 次の乗り物を待つ時だったりするもの。 |
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知る人も多く評価も高い『警察署長』の続編かと思い読みましたが、ぜんぜん別物でした。 もちろん僕が勝手にそう思い込んでいただけですが、本書の主人公は『警察署長』の初代の孫であり、両方に共通して出てくる要素も有るとなれば 早合点とばかり責められる言われもないかな、と自己弁護。 確かに主たる舞台の一つはデラノですし、『警察署長』では若手だったビリー・リーが引退した大物として登場したりします。 でもそれだけ。 根本的な違いは『警察署長』がシッカリとした小説だったのに対し、本作は断片の寄せ集めの印象が強い点でしょう。複数の筋立てが並行して進み、 やがて大きなうねりとなって読者を一気に結末へと押し流す…のが狙いなのは判るのですが、完全に失敗しています。個々のエピソードが浅くて 散漫ですし、不必要なサービスにはウンザリしました。 完全に種明かしをしない仕掛けが有ったのにはニヤリとしましたが、他はなぁ。 |
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【関連作品】 『警察署長』コチラに惹かれて本書を読んだのですがね、いやぁ………。 |
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舞台は米国ジョージア州の架空の街デラノ。その街の初代から3人の警察署長を主人公にしたミステリー…の筈なのですが、
むしろ面白さは別でした。ガキの頃に初めて読んだ時はミステリーとしての謎解きや犯人の歪み具合などが食い足りず(それは
今でも)印象に薄い作品でしたが、大人になって再読してみるとそれなりに味わい。 思うに本当の主人公はデラノの街か、または街の有力者である銀行家なのではないかしらん? 全編を通じて大人として登場するのは彼と他に数人ですし、一番顔を出すのは彼です。街の草創期から開発に立ち会い更に 警察署長の人選やらなにやらと狂言回しのような役回りとでも言いましょうか。 ガキの頃には期待していたミステリーとしての要素ですが、再読するとむしろ邪魔に思えました。せめてもう少しセンセーショナル ではない事件の方が良かったんじゃないかなぁ。変に其方に気が散ってしまう。 ちなみに警察署長は物語を繋ぐ経糸の役割程度でタイトルには相応しくないのではないかと思ったのですが、おぉっ!アイツもか …と気がつきました。ならば妥当だと思い直したのですが、現題は複数形。ならばコレは僕の深読みか(未読の方には意味不明でスイマセン)。 |
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【関連作品】 『草の根』初代警察署長の孫が主人公です…がねぇ。 |
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ウォルター・ヒル監督の作品を文字で観ているような、ゴリゴリとした展開は…いや、面白いとは言い切れないなぁ。
徹頭徹尾同じペースでグリグリというのも嫌いではないのですが、文庫一冊となると長過ぎます。 まずハラハラはさせれてもそれ以上には進みません。予期せぬトラブルで窮地に追い込まれたり、計画を変更したり …という展開が無い。やってくれそうなトコまでは行くのですが、寸止めばかりです。 設定からしてやり辛いのは判りますが、他に読者にも伏せた主人公の計画や行動目的も無いってのはなぁ。 せめてハラハラを上手く煽ってくれれば良いのですが、前述の通り緩急が無いので食い足りない。もう少しで良いので メリハリが有ればなぁ。 ところで裏表紙の紹介に「職人作家」とありますが、どういう意味なんですかね?金銭を得る職業としての作家なんだから 職人の一種だろうし、読者の期待に応えるというのも当然だろうし…判らないなぁ。 例え先が読めるような斬新さの無いストーリーでも、ツボを外さず一応の満足を与えられてこその、職人作家だと思うんですがね。 |
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どれも不思議な味わいの短編集でしたが、表題作と「七里のブーツ」を面白く読みました。特に後者は仕掛けがアレコレと有り楽しかったですね。
やはり脇役が印象的だと作品が生き生きするものだなと。 僕は渡仏の経験が有りませんしパリの路地裏なぞ絵画や古い映画でしか知りませんが、作品を読んでいると目に浮かんでくるようでした。 |
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連続殺人犯の自伝という設定に惹かれて読みましたが、やっぱりエルロイは僕の趣味ではありませんでした。 序盤は面白いんですよ、自己防衛の為に空想映画に逃避する様子やコミックブックのキャラクターが現れてその時度に応じた助言をくれる、 などは非常に印象的です。 また終盤の破滅(というかナンというか)に至る展開も惹きつけられます。 しかしイマイチの印象は拭えません。 例えば設定が自伝の原稿なのか書籍化されたモノなのか?引用される資料は邪魔に思えるが、他に入れようがなかったのか? 前半と後半が散らかっているように感じられ、不満が拭えません。 やっぱり合わないってコトなんだろうなぁ。 |
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【関連作品】 ジム・トンプスン『おれの中の殺し屋』 同じく“犯人”の一人称ですがコチラの方が格段に面白いですよ。 |
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デイヴッィド・ピースがご執心…と言うので読んでみたが、なんで?という感じだった。更に上を行く
歯応え(と言うか、読み辛さ)かと思ったのたが意外とスラスラと楽しめた。 エルロイ初心者向けの入門編だそうですが、なんかコレだけだと先に行きたくならない気がしました。 面白く読みはしましたが、少なくとも僕に対する磁力は無いかな?もっとダークな笑いが有るかと期待 していたのですが、残念。もちろん一方的な勝手な思い込みですが。 ただ犬好きなそうなので、悪いヤツではありますまい。いや、きっと良いヤツだ。うん。 |
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一応テーマ別に纏めてはいるのでしょうが、雑多な印象は否めません。それなりに面白いのですが、それでもねぇ?
初出一覧でも有ればまた別な印象を受けたのでしょうが…。 個人的に一番面白かったのは第T部の学生時代の話で、特に遠藤商会の件はあぁ時代は変れどやるコトは大差無いなぁ 〜と思いました。もっとも僕は代返で商売したりしませんでしたが。 |
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対ドイツ抵抗運動を扱った表題作「白い人」と「学生」はやや遠く感じましたが、日本人の出て来る「黄色い人」と「アデンまで」は近しく読めました。 もっとも作中人物たちの肌の色や宗教についての悩みは僕には既に縁の無いモノですが。その辺りを解説では小難しく云々していてヤヤコシクさせていますが、 作品だけで充分にも思われます。 頭でっかちな登場人物が議論をするだけの作品ではなく、単純に粗筋を追うだけでも面白く読めると思います。 まぁ最初期の作品なので多少読みにくく宙ぶらりんな読後感ではありますが。 |
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得意の絶頂であるべき瞬間に現れた自分とソックリな、しかし醜怪な顔の男…主人公の人徳者としての
評判を嘲笑うかのごとく彼の名を騙り淫蕩な生活をする男の正体は?スキャンダル狙いのジャーナリストの
影におびえつつ探索を開始するが? どうです、読みたくなりません?? こう書くと推理小説のようですが、そうでもあるような違うような…まぁジャンル分けなんてどうでも 良いんですけどね。 同じキリスト教徒の作家だから、というだけでなくもっと深いところで主人公は作者の分身に思えます。 これ以上アレコレ書くとネタバレになるのでこの辺りで(←と言う書き方がまたアレだ?)。 |
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比べても仕方の無い事かもしれませんが、吉村昭に比べると地を這うような迫力が無く、司馬遼太郎に
比べると作者の顔の出し方が鬱陶しい。また構成も未整理に思え、誰のナニを書きたいのか判らず。 その命令は残虐非道で到底受け入れられる筈も無いのに何故か人を引きずり込む織田信長の魔力と、 一度は惹き付けられながら否応無しに反逆せざるを得なくなる松永久秀や荒木村重、明智光秀の心理の ようなものが描かれているのだろう…と期待していたのですが、全く食い足りませんでした。 このテーマと言うか素材については、もっと別の人の筆で読みたい気がしました。 |
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【関連作品】 ・合わせて読んだ同時代を描いた作品はコチラ 『花落ちる智将・明智光秀』笹沢左保 →本能寺の変を反逆する側から描いた作品。僕としては本書の信長像に説得力を感じました。 『秀吉と武吉目を上げれば海』城山三郎 →前掲書では背景でしかなかった毛利方の様子が描かれています。本能寺以前から関が原の合戦まで。 『信長と秀吉と家康』池波正太郎 →ちょいと古臭いですが一応タイトルの通り三人について纏めています。 『逆軍の旗』藤沢周平 →光秀を生身の人間として描き、そのアヤフヤさが非常にリアルでした。 |
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作中度々カミュの『異邦人』に触れていますが筒井康隆『乱調文学大辞典』による同書の項目同様、本書もまた
「一種の犯罪小説」としては「失敗」の部類に入るでしょう。 結核と診断された大学生の難波は、入院した女子医大で連続して起きる奇怪な事件の真相を追究しようとするが …とは言うものの、探偵役としての彼は受動的過ぎ知恵が無い。パートナーと言うべき、やはり入院している 父親の付添いをしている芳賀もまた顔が無い。 犯人は4人の女医のうちの一人の筈である…という難波たちの推理は当たっており、前半は二人の話と交互に 正体を伏せた女医の心理と行動が語られているのですが、読者は“犯人当て”の楽しみを与えられません。 なにしろ4人についての紹介がほとんど無いので区別がつかないに等しい。 また最初と最後に出てくる神父が現代社会における悪魔について語っているから、とホラー・オカルトとして 読もうとしても取って付けたようであり、そちら方面のファンの方には食い足りないどころではありますまい。 現代社会への警鐘や告発、現状に対する憤りなどが力強く訴えられている訳でもなく、同じ著者の『醜聞』ほどに ドンヨリとした不安感や不吉な影が有る訳でもない。 朧な記憶を手繰るに『海と毒薬』の読後感に近い気がします。書けるかと思い始めてみたものの、まだ自分の中で 整理し切れておらず宙ぶらりん…というような。 誰かもう少し下品にリメイクしてくれないかしらん?埋没させるには惜しい面白い仕掛けが有るんだけど。 |
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ガキの頃に『野火』を読み、更に『事件』でこういう小説も有るのだ…と思った身からすると、本書はチと残念。 執筆動機は勉強の為も有るのだそうですが、ナニも同氏の筆に寄らなくても思いました。もちろんコッチの勝手な感想で、本人の勉強になったのなら メデタシメデタシではありますが。 |
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例えば起承転結がどうのこうのと言い出せば当てはまらないようにも思えますが、とにかく面白い。なんというか誰かの話を聞いているように
感じられると言いましょうか?実際には作り込まれているのでしょうがゴロリとした感覚もあり、さりとて実は磨き込まれているような。 作者の顔写真(と倅のキャラクター)のインパクトが強くて偏見のようなものが有ったのですが、作品は素晴らしいですね。他を読みたくなったけど …なかなか無さそうで? |
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日本の怪談やら講談の種となった中国の伝奇小話…と言って良いのかは判りませんが、とにかく不思議な話が盛り沢山です。しかも起承転結に拘って
作り込んでいないので、不思議な味わいです。 ジャンルが多彩で理路整然とした捜査ものや怪異の荒れ狂う不気味なものに艶っぽいものまで、またキチンと完結しているものから結末が切り取られた ようなものまで、とにかく楽しめます。作者(というか訳者)の企図したように、大人の楽しみとして読むには最適でしょう。 受け付けないネタの有る方もいらっしゃるでしょうが、僕としては楽しい一時でした。 |
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いやなんか暗くないかい? 作者が陰気と言うのではなく、時代の暗さと言うか、当時の照明事情のせいというか…とにかく暗かった。もちろんだからダメだと言う訳ではなく、 子供向けの柔らかい本に慣れていた身には驚きだった。 |
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