映画・演劇
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『悪魔のような女』
『アザーズ』
『熱いトタン屋根の猫』
『アフリカの女王』
『アポカリプト』
『荒馬と女』
『ある機関助士』
『アルゴ探検隊の大冒険』
:エボリューション
『硫黄島からの手紙』











『歌麿をめぐる五人の女』
『ウルトラヴァイオレット』










『SF巨大生物の島』
『エデンの東』










『お熱いのがお好き』











『悪魔のような女』Les Diaboliques
監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
Henri-Georges Clouzot
主演:シモーヌ・シニョレSimone Signoret
ヴェラ・クルーゾーVera Clouzot
1955年/フランス
CATV:平成20年1月7日
 今になって観ると…ですが、冗漫かなと思わなくも有りません。面白いんですけどね、ちょいと淡々とし過ぎかなと。
 個人的には妻と愛人が亭主を殺そうとするのが「当然だわなぁ」と思えるくらいエピソードが欲しい気がしました。本作中でも 描かれてはいますが、まだ足りないかなと。そしてその逆に、そんな男なのに何故二人が離れられないのかというのも欲しい気が しました。同じ上映時間なら他を削ってその辺りを足して欲しいかなと。
 2段重ね3段重ね4段…と楽しめる仕掛けの有る作品ですが、ラストはどうなのかしらん?
 解釈はもちろん評価も分かれるのではないでしょうか。個人的にはやり過ぎに思えなくも無いのですが…。
『アザーズ』The Others
監督:アレハンドロ・アメナーバル
Alejandro Amenabar
主演:ニコール・キッドマンNicole Kidman
2001年/アメリカ・スペイン・フランス
CATV:平成20年1月15日
 母と二人の子供の様子が描かれること無く使用人が押し掛けて来たり、ドチラかと言うと母親の 方が変人に見えたり…と序盤は「あぁまた最近よく有る雑なアレだな」と思っていたのですが、どうして どうして。なかなか面白かったです。
 作りも丁寧だったし最後に驚かせようと無茶をするでもなく、佳作と言えましょう。ラストの閉め方も また僕好みであり良きかな良きかな。
 惜しむらくはペースがずっと同じなので感覚が疲れてしまうこと。ちょっとした笑いかナニかが有れば 更に恐怖が効いたでしょうに。
『熱いトタン屋根の猫』Cat on a hot tin roof
監督:リチャード・ブルックスRichard Brooks
原作:テネシー・ウィリアムズ
Tennessee Williams
主演:エリザベス・テイラーElizabeth Taylor
ポール・ニューマンPaul Newman
1958年/アメリカ
CATV:平成20年1月4日
 舞台はおろか原作すら知らないのでどの程度“映画化”されているのか判りませんが、映画としては 食い足りない気がしました。
 いや悪くは無いんですけどね、ただ全体的に散漫になってしまっている気がします。それぞれの登場人物に 見せ場は用意されているので削るのは忍びないのでしょうが、主人公の夫婦関係か父親との関係かに絞って くれても良かったんじゃないか知らん。
 もし今後なんらかの形で作品化されるとしたら、オムニバス形式でも面白いんじゃないでしょうか? 肉体的な意味も合わせて(いるように受け取れなくも無い)愛に飢えている 次男の妻とか、父親の希望に沿うような人生を選択してきたのに好かれていないコトを感じている長男、 また貧しかった父親を反面教師としてガムシャラに働いてきたものの死期を知り過去を振り返る父…など 素材には事欠かないし。
 それにしても一番生き生きとしてしたのが憎ったらしい長男の嫁とその子どもたちってどうよ?
『アフリカの女王』The African Queen
監督:ジョン・ヒューストンJohn Huston
原作:C・S・フォレスターC.S. Forester
主演:ハンフリー・ボガートHumphrey Bogart
キャサリン・ヘプバーンKatharine Hepburn
1951年/イギリス
CATV:平成20年1月5日
 未開の土人に福音を伝えるインテリ女性と粗野で逞しい男が出会い、時に反発しながらも悪い植民地主義者の帝国 (基本的に死人に口無しで日独伊のいずれか)を打ち破り、その過程で恋におちた2人は結ばれる…といハリウッド 映画の典型的な展開です。もっとも本作はイギリス製ですけども。
 アフリカが舞台なのに現地の人々は冒頭でチョコッと出るだけで扱いはその後に出てくるカバやワニと同じです。 単純に娯楽として楽しめば良いのでしょうが、楽しくないんだなコレが。
 それでもどうにか退屈しないで済みましたからリメイクするに値するのではないでしょうか?もちろん大幅な改稿は 必要ですけど。
『アポカリプト』APOCALYPTO
監督・製作・脚本:メル・ギブソン:Mel Gibson
主演:ルディ・ヤングブラッドRudy Youngblood
ラオール・トゥルヒロRaoul Trujillo
2006年/アメリカ
新橋文化劇場:平成19年12月3日
 いやもうなんとも圧倒的。素晴らしいかったです。
 全く新しい映画の文法ではないか?と思ったのですが、果たしてソレがナンなのかは判然としません。 構図やカメラの移動、カット割りなどで単純に言い切れるものではないでしょうし、“ジェネシス”なる 新技術の効用だけでも有りますまい?「マトリックス」のような見本市って訳でもないですし。
 とにかく個人的には今まで感じたことの無い、新しい迫力でした。
 演出や脚本で言うと、観客とは全く違う時代や場所の話なのに我々と共通の要素があり共感が持てます。 またそれでいて現代社会のコピーとしてではなく、独立した世界として描いているので好感が持てます。 傲慢な“野蛮な原始人たちの物語”的ではないんですよね。
 その辺りで上手さも有るなぁと。
 ただ好き好きでしょう、作品としては。強烈だと感じる人も居そうなシーンは有ったし。
『荒馬と女』The Misfits
監督:ジョン・ヒューストンJohn Huston
脚本:アーサー・ミラーArthur Miller
主演:クラーク・ゲイブルClark Gable
マリリン・モンローMarilyn Monroe
1961年/アメリカ
CATV:平成20年1月5日
 全体的にピンと来ない作品だった。モンローの役も身近にいたらナンだか鬱陶しい女だよなぁ…と。
 それにしてもモンローは確かに可愛いしセクシーなのだが、あまり数は見ていないのだがどの作品でも 痛々しく思えてならない。中年のスケベ親父に玩具にされているような印象が強いからかなぁ。同年代の 相手役って居たのか知らん?
『あるいは裏切りという名の犬』
36 Quai Des Orfevres
監督・脚本:オリヴィエ・マルシャル
主演:演 ダニエル・オートゥイユ
ジェラール・ドパルデュー
2004年/フランス
新橋文化劇場:平成19年6月5日
 ドパルデュー演じる主人公の屈折振りが興味深い。
 魅せられてしまった権力の座に近づけば近づく程に理想や友人、仲間達から離れていく…なんて ありがちと言えばそれまでだが、逆にどの時代どこの国でも解決し得ていない普遍のテーマなの ではないか?
 また重厚なパリの石造りの街並みと郊外の自然の色合いの対比、夜の街光など画面も美しい。  しかし“それだけ”の作品で、総合的には退屈だった。
 なにしろ徹頭徹尾テンポが同じで疲れてくる。それにあのオチはどうなのよ?なんかグダグダで アメリカで作るというリメイク版に期待したくなってしまった。
『ある機関助士』
監督・脚本/土本典昭
主演:機関士・中島鷹雄 機関助士・小沼鹿三
1963年/岩波映画製作所
CATV:平成19年6月18日
 それほど熱心な鉄道ファンではない僕(ならば何故観た?と言われると困るが)には少々辛い作品。疲れていたのでね。
 ただ当時の様子とか具体的に“現役”で働いている機関車の様子などは面白く、当時の常磐線沿線の景色なども楽しかった。 多分マニアな方々にはたまらないのだろうなぁと。
『アルゴ探検隊の大冒険』
Jason and the Argonauts
監督:ドン・チャフィ
特殊撮影:レイ・ハリーハウゼン
主演:トッド・アームストロング
1963年/イギリス・アメリカ
TV:平成19年1月9日
 ハリーハウゼンの特殊撮影のみに興味が有って観たかったので満足。
 ただネットで検索していたところ“ハリーハウゼンの最高傑作”なんだそうな…うーん?
 確かに特殊撮影のパターンは多彩で、巨大像との格闘有り水面が人間界を映す鏡になる合成有り、 はたまた骸骨との決闘シーンも有り…どれもが素晴らしいのですが、映画全体として見るとちょいと なぁ?彼以外のところで不満が残りました。
 確かにハリーハウゼンの仕事だけ見ればそうなのかもしれませんが、そういう観方は僕の 趣味ではないのです。
『アンダーワールド:エボリューション』Underwold Evolution
監督:レン・ワイズマン
主演:ケイト・ベッキンゼール
2006年/アメリカ
新橋文化劇場:平成18年12月5日
 CGが進歩しているのが良く判った作品、昔に比べたら違和感が我慢出来る程度になりました。
 しかしそのおかげで脚本など根幹となるべき部分が腐っていると、映画はカスにしかならんのだと露骨に判りますね。


『硫黄島からの手紙』Letters from Iwo Jima
監督:クリント・イーストウッドClint Eastwood
主演:渡辺謙 二宮和也 加瀬亮
2006年/アメリカ
新橋文化劇場:平成19年10月22日
 まず脚本が中途半端に思えた。手紙の件りは無い方が良かったんじゃないか?少なくとも扱いが中途半端だった。二部作の 2作目なので最初を見ていないと判らない部分も有る、と言うのは認められない。ならば「前・後編」にすべきで、そう しないのなら独立した作品としても成立しないといけないのではないか?
 お約束な起承転結が欲しい訳ではなく退屈させるなよ、と言う意味で言うのだが演出は平板でメリハリが無く退屈。なんか イーストウッド監督、お疲れですか?と言う感じ。映像技術だけなら格段に上なんだけど、『シン・レッド・ライン』の 足元にも及ばないと感じた。
 俳優に関して言うと栗林中将はなんか躁病っぽく見えたのだがアレで良いのか。大宮のパン屋である西郷はなるほど アチコチで聞いていた通り良かった。ただし役柄に対して幼い感じがしてならない。もう10年もしたら素晴らしい 俳優になるのではないか(と言いつつ年相応の行くなら群を抜いているのではないか)?バロン西は説得力が有ったが 少し爽やか過ぎる。伊藤は如何にも演じています、と言う感じでナンとも…。
 …などとゴチャゴチャ言いつつ日本人俳優の名前などについて完璧に無知な僕なのですが、一人だけスゴイ!と 感動したのが清水でした。他は全て「上手く演じている」のに対し彼だけは「なっている」と言うべき。誰だろう?と エンドロールを見たら加瀬亮で、納得した次第。


『歌麿をめぐる五人の女』
監督:溝口健二
原作:邦枝完二『歌麿をめぐる女達』
主演:坂東簑助 田中絹代
1946年/京都松竹
CATV:平成19年1月27日
 田中絹代はさすがに貫禄が有ったが、他がなぁ…と言う感じでした。終戦直後という制作年代を差し引いても 全体に緊張感が欠けており、特に男に関しては江戸っ子にしちゃぁ少々“なり損ない”に思えてなりやせんや。
 加えて作中の絵がまたなんか…?せめて一枚くらい描いている手を映すなど出来ていれば別だったかもしれませんが、 絵師の映画にしては絵に対して執念が無いというか、適当と言うか。
『ウルトラヴァイオレット』Ultra Violet
監督:カート・ウィマー
主演:ミラ・ジョボヴィッチ
2006年/アメリカ
新橋文化劇場:平成18年11月26日
 PVとして、またはマスゲームとしてなら素晴らしい。アメコミ作家のイラスト集としてなら文句なし。ただ映画としては辛い…演技部分なんかもう(以下絶句)。


『SF巨大生物の島』Mysterious Island
監督:サイ・エンドフィールド
原作:ジュール・ヴェルヌ
特殊撮影:レイ・ハリーハウゼン
主演:マイケル・クレイグ
1961年/イギリス・アメリカ
TV:平成19年1月9日
 ハリーハウゼンの特殊撮影のみに興味が有って観たかったので満足。
 巨大なカニやハチなどの他、アレコレと特殊撮影が観られますが、画面全体として統一感が有り 中途半端なCGなんかより遥かに楽しめます。
 3本(他2本は『シンドバッド虎の目大冒険』と『アルゴ探検隊の大冒険』)観たのですが、話も 一番纏まっていた気がしますし。中盤の一見ご都合主義も最後に説明が付くし、なにより『海底2万哩』の 続編(的な展開)とは驚かされました。ただまぁテレビ放送用に弄られている所為か元々なのか無茶と 言えなくも無いのですが。
 ちなみにこの作品、日本劇場未公開なんだそうです。判らないなぁ。
『エデンの東』East Of Eden
監督:エリア・カザン
原作:ジョン・スタインベック
主演:ジェームス・ディーン
1954年/アメリカ
CATV:平成18年12月26日
 原作を読んだ時は大味な感じがしておよそ感銘を受けなかったのだが、映画ではダイジェスト版の感じ …いずれにせよイマイチだった。脚本がイカンのではないか。当時はかなり当たった原作だったろうから 忠臣蔵よろしく端折っても大丈夫だったのだろうけど。
 J.ディーンは確かに素晴らしいのだが(酷な話)今の視点で見ると他が沈んでいるので、浮いている気が してしまう。
 むしろ目が行ったのは双子の兄役で、当初は平板な演技に見えたのだが終盤に入り目立たないながらも ディーンと似た表現力を発揮していたのではないか?果たして目の前でディーンを見て影響を受けたのか、 元からそういう演技プランだったのか(キャラクター的にも後半は屈折するので)は今となっては判りませんが。
 再映画化しても良いんじゃないかと思うんですが、どうでしょう?
※画像はハヤカワ文庫版の表紙から借用しました。


『お熱いのがお好き』Some Like It Hot
監督:ビリー・ワイルダー
主演:ジャック・レモン トニー・カーティス
1959年/アメリカ
CATV:平成18年12月19日
 オープニングタイトルで主役の2人より先にM.モンローの名前が出てくるのも当然で、彼女が一番生き生きとしていた。 なにより“本物っぽい”のが素晴らしかった。健康的かつ可愛いのに加え、大人のセクシーさも…となればそりゃ今でも 人気が出るだろう。ただ逆に人気が先行し当たった作品でイメージが固定され「頭の緩い金髪エロっ娘」の役ばかりに なったとしたら女優として不幸な話だなぁ…。
 主演の2人も面白いし話も音楽も全て良かったのですが、コレに憧れるのは危険な気もしました。
 思うに映画って描かれた時代だけではなく、その制作年代の雰囲気も合わせてのモノなので、憧れる作品の雰囲気は 出せないんじゃないかと思います。だから○×みたいな作品を、なんて考えても仕方がなかろうし、ましてやリメイクなんて…?
『オール・ザ・キングスメン』
All The King's Men
監督・脚色:スティーヴン・ゼイリアン
原作:ロバート・ベン・ウォーレン
出演:ショーン・ペン ジュード・ロウ
2006年/アメリカ
新橋文化劇場:平成19年10月22日
 正義感に燃えた男が堕落していく様を、新聞記者の視点から描く…と言うので期待していたのですが、全然ダメ。 例えば正義感に燃えていた当時の彼、知事になった彼を陥れる権力と言う麻薬の持つ魅力、そしてその知事の誕生に 一役買い更に側近になったものの今ではモンスターを生み出したトコに加担したと恐怖すら覚えている物語の 語り部たる主人公…なんてのに期待して見るとハズレです。
 本作の主人公は新聞記者の方で、魅力的な人物に描けたであろう知事は彼の人生をかき回す棒に過ぎません。 正直食い足りない以前でした。