映画・演劇
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『Jの悲劇』
『死刑台のエレベーター』
『ジャイアンツ』
『ジャスティス』
『上海家族』
『白い朝』
『白い巨塔』
『ステイ』
『ストレンジャー・コール』









『正義の行方』
『7セカンズ』









『ソウ』
『ソウ2』











『ザ・デッド/「ダブリン市民」より』The Dead
監督:ジョン・ヒューストンJohn Huston
原作:ジェームズ・ジョイスJames Joyce
主演:アンジェリカ・ヒューストン
Anjelica Huston
1987年/アメリカ
CATV:平成19年4月6日
 古臭い…と言うと失礼ですが、80年代後半の制作とは思えない古典的な雰囲気の作品でした。楽しいパーティの 一夜が舞台なのですが、それにしても漂う寂しさと悲しさはなにか?
 監督のJ.ヒューストンは本作が遺作となりましたが、そうと知らなくても印象は変らない筈。多分監督自身の 充足した人生に対する思い出を囁かれているような気がするのですが…思い込みが激しいかなぁ?
 良い作品だと思いますが、ある程度の人生経験が無いと辛い作品ではありましょう。
【関連作品】
『ダブリン市民』ジェイムズ・ジョイス
『サンキュー・スモーキング』
Thank You For Smoking
監督:ジェイソン・ライトマン
原作:クリストファー・バックリー
主演:アーロン・エッカート マリア・ベロ
2006年/アメリカ
新橋文化劇場:平成19年6月5日
 冒頭から作りこんだ映像で楽しいのだが、途中から正攻法になってしまったのが残念。どうせなら 最後までゴリゴリとテンション高く続けて欲しかったのに。食い足りないのは主人公の活躍ぶりも同様で、 もっと“喋りのプロ”としての活躍を見せて欲しかった(見せ場の一つだったろうと考えると裏切られた 気分にならなくもない)。そのあたりを期待して原作を読みたくなった。
 ただそれとは矛盾するようだが父と子の関係などをサラリと描いているのは助かった。ベタベタと やられたらシラけていただろうから。
【関連作品】
『ニコチン・ウォーズ』クリストファー・バックリー



『Jの悲劇』Enduring Love
監督:ロジャー・ミッチェル
原作:イアン・マキューアン
主演:ダニエル・クレイグ リス・エヴァンス
2004年/イギリス
CATV:平成19年2月23日
 唐突と言えば唐突に事件に巻き込まれる主人公。音の無いその描写は逆にリアルに緊張感が伝わってきます。 多分実際の事件に遭遇している時ってこういう感覚なんではないか?少なくとも思い返すとこうではないか…と 言う感じで引き込まれます。
 人間に対する見方が冷めた感じのクレイグ(彼の成長物語と言えなくも無い)と不気味な訪問者のエヴァンスが 良い感じで、特に後者の気味悪いのに妙に痛々しいのにはなんと言って良いのやら?
 細かいところでケチを付ければキリが無い作品ですが、ソレをさせない魅力が有ります。
 ちなみに原題をネット翻訳すると“永続する愛”だな…う〜ん?
【追記】H20.10.15
 本作品をサスペンス映画として観て、否定的な評価をしているブログなんぞを見たのですが、面白いなぁと。 筒井康隆の『乱調文学大事典』の中の「異邦人」の項を思い出しました。
 ソレはソレとして。
 原作者であるマキューアンの小説をはじめて読んだのですが、受けた印象はこの作品のイメージと合っていました。
 特に読んでいる最中のフワフワとした、ソレでいて強烈な印象は映画の冒頭の事故のシーンのようで…怖いなぁ。
【関連作品】
『アムステルダム』原作者イアン・マキューアンの作品
『死刑台のエレベーター』
Ascenseur pour L'echafaud
監督:ルイ・マル
原作:ノエル・カレフ
音楽:マイルス・デイヴィス
主演:モーリス・ロネ ジャンヌ・モロー
1957年/フランス
CATV:平成19年1月21日
 正直な話、観るのも数度目となるとさすがに演出が淡々とし過ぎていてチョイと辛くなる。 音楽なんかに助けられてる面が大きいと言えなくもないし。
 ラストは見事なんですけどね、サラリと片付けつつ深く沈んでいく感じが良い。蛇足を承知で 言うと原作なんかより遥かに救われます(変な良い方ですが)。
 25歳のデビュー作と見れば大したものだし、逆にソウ考えると意外でも有りますが。 でも同時代の日本映画の方がはるかに迫力が有り面白いと思うのは僕だけでしょうか?
『ジャイアンツ』Giant
監督:ジョージ・スティーヴンスGeorge Stevens
原作:エドナ・ファーバーEdna Ferber
主演:エリザベス・テイラーElizabeth Taylor
ロック・ハドソンRock Hudson
1956年/アメリカ
V:平成20年1月18日
 原作を未読なので推測ですが、忠実に過ぎたのではないか?と思いました。ユッタリとしたペースでも 映像を軸に物語は進むので退屈はしません。
 ただテーマを盛り込み過ぎていてドレも中途半端な印象を受けました。更に言うと家族に限定していれば まだしも牧童から大富豪になる男は不要だったのではないか?今となっては“ジェームズ・ディーンの”と 言った方が通りが良いのは承知の上ですが。
 新しく映画化するのなら東部から嫁に来た女(テイラー)を軸にして彼女と結婚した牧場主(ハドソン)と その家族の物語、また彼女に憧れつつも得られる筈も無く大富豪となりながらも満たされず精神が荒んでいく 男(ジェームズ・ディーン)の物語をコインの両面のようにした2本の映画にした方が良いかと。
 タランティーノの『キル・ビル』2本より、は良心的なんじゃないかしらん。
『ジャスティス』...and Justice for all
監督:ノーマン・ジュイソンNorman Jewison
主演:アル・パチーノAl Pacino
リー・ストラスバーグLee Strasberg
1979年/アメリカ
CATV:平成19年11月1日
 幾つかの事件や裁判が並行しているだけでなく、その他の日常的な場面も描かれておりリアルで良かった。 …と言っても抜くべきところは抜いていて「現実的」に拘っている訳ではないので観やすくもあります。
 それにしても判事の気分一つで監獄行きとか、杓子定規な法解釈で無実の人間が追い詰められて…など悲惨の極みで 最近の日本における誤審やら冤罪やらの方が遥かに好ましい状況に見えてしまうのですが、当時ってドコまでこんなか?
 ラストの法廷シーンなど観たヒトにより好きなシーンは別れると思いますが、僕としては主人公が祖父を訪ねるシーンが 一番心にしみました。老けたのかなぁ?
 また古い作品なのでフィルムが少し滲んでいるような感じなのですが、大学時代に8mm映画を少しかじった 身としてはたまらないモノがありました。
『上海家族』假装没感覚 ShangHai Women
監督:彭小蓮 Peng Xiaolian
主演:呂麗萍 LuLiping 周文倩 ZhouWenqing
2002年/中国
CATV:平成18年12月27日
 現代中国の都市部に於ける住宅事情の悪さを、それに追われる母娘を中心に描いた作品 (…という紹介はどうかと思うけどこんな印象でした)。
 互いに遠慮もクソも無い人間関係で、最初はどうしたもんか?と思いつつ観たのですが、 娘役の周文倩が良くて惹き込まれました。化粧っ気が無いというよりそれ以前の外見に加え 演技していないのが良い。
 実際にはそんなコトはなく、撮影用に外見を整えて演技しどうもシッカリしているのだとは 思いますが、ソレならソレで素晴らしい役者だと思いますし監督も素晴らしい。
 出て来るほとんどの男のキャラがややアレですが、まぁ少女の視点から描いている面も有ると 考えれば不満には思えますまい。それぞれに良い味出してましたし。
 最後の方で裏町の汚い部屋が出てきますが、窓から東方明珠塔が見える辺り意外と良い物件 なんじゃないか?なんて思ったりして。2000年に似たようなトコを通ったのですが、ガイドさんに 言わせると開発の波に洗われているとか。今では無い景色なのかも知れませんね?
『白い朝』
監督:勅使河原宏
主演:入江美樹 長谷川照子 松下洋子
1965年/にんじんくらぶ
※本編にはクレジット無し
観覧場所:平成19年2月9日
 なんでも「カナダの国立フィルム・ボードが企画した、4ケ国合作オムニバス『思春期』の中の日本篇」なんだそうです、 道理でややマトモな訳だ。
 ただ如何せん語り口が下手にしか思えず、斬新もナニも無い。後年名を挙げた監督の若い時代の作品です、と言う以外に 見所が有るのか疑問。少なくとも僕の趣味では有りませんでした。
 どうでも良いけど、音が悪過ぎる。どうにかなんないのかしら?
『白い巨塔』
監督:山本薩夫
原作:山崎豊子
脚本:橋本忍
主演:田宮二郎 東野英治郎
1966年/大映
V:平成20年2月5日
 原作の途中(発表当時の完結まで。その後小説は続編が書かれた)までの映画化ですが、それでも扱う期間が長い気がしました。 製作当時の事情は判りませんが、教授選挙に絡む話を前編、誤審裁判を後編として別々にしても良かったように思います。 独立した作品に仕上げ得る厚みが有るのだし、その方が細部まで描けて良かったのではないかしらん?
 ただし原作にある要素を再構成して一気に畳み掛けるように纏め上げたのは素晴らしいです。原作を読んでいないと判り辛いの ではないかと思う箇所も有るのですが、その辺りは読んでから観た僕には推測出来ません。
 また原作と違い登場人物に対して、製作者は公平です。
 権力欲に取り付かれた独善的な財前にもそれなりの理由が有ることが触れられていますし、作品中の「良心」的な位置づけに あるキャラクターも絶対的な善人としては描かれていないですし。
 ただラストの里見が大学を去っていくシーンは不要かと?
【関連作品】
原作:山崎豊子 『白い巨塔』
『真実のマレーネ・ディートリッヒ』
Marlene Dietrich Her Own Song
監督:J・デイヴィッド・ライヴァ
出演:バート・バカラック他
2001年/仏・独・米
CATV:平成19年4月4日
 マディートリッヒ入門編と言う感じで深く心が揺さぶられるようなことは無かった。そう言いつつも僕自身 全然知らないのでそれなりに面白かったのですが。
 ただ当時のスターたちとの交友関係を知らないと面白さは半減するかと…?(まさに僕だ)
『シンドバッド虎の目大冒険』
Sinbad and The Eye of The Tiger
監督:サム・ワナメイカー
特殊効果:レイ・ハリーハウゼン
主演:パトリック・ウェイン タリン・パワー
1977年/イギリス・アメリカ
テレビ:平成19年1月1日
 ハリーハウゼンの仕事だけが観たかったので、満足した。
 知恵と技で作り上げた映像には童心にかえりワクワクさせられた。
 むしろ最近のCGなんかより画面に於ける統一感が有りシッカリしているんじゃないか? 脚本の酷さ…なんかは共通の悩みかもしれませんなぁ。



『ステイ』Stay
監督:マーク・フォースター
主演:ユアン・マグレガー ナオミ・ワッツ
2005年/アメリカ
新橋文化劇場:平成19年2月16日
【ややネタバレ、要注意】
 有り勝ちな“夢オチ”ではあるが、語り口が良いので面白く観られた。なにより映像が 洗練されていて美しく、演出も品が有るのがのが良い。
 もっとも映画をあまり観ていない人には風変わりな文法ですから判り辛いかもしれませんが?
 ただ残念なのはチラシなどの広告で、トンチンカンにしか思えません。
 謳い文句を信じて「超一級のスリルと感動のイリュージョン・スリラー!!」を 期待して行って「せつないラスト」を待っているとトンでもない詐欺に遭うコトに なります。
 全然そんな作品では有りません。
『ストレンジャー・コール』
When a stranger calls
監督:サイモン・ウェストSimon West
主演:カミーラ・ベルCamilla Belle
トミー・フラナガンTommy Flanagan
2006年/アメリカ
新橋文化劇場:平成19年12月3日
 全体的にやり過ぎていないのが良かった。普通の高校生が殺人鬼相手に大立ち回りしたらうそ臭い。 痛いのも適度だし(日常生活で体験しないような大怪我をして走り回るのってどうよ?)。
 また単純に映画はオシマイ、場内が明るくなったら全て以前と同じです…ではない終わり方は 非常に僕の好み。全く期待していなかった割には楽しめた…と言いたいところだが、残念ながら そうはならなかった。
 第一に冒頭の殺人事件が果たして世間でどう受け止められているかが全く触れられておらず、 その為ヒロインが気持ちの悪い電話(最初はその程度)に過剰に反応しているように思えてならない。 また「さぁ怖がって頂きましょう」と声高に叫び続ける音楽が鬱陶しい。ジェットコースターが 怖いのはジリジリと上る箇所も有るからなのになぁ。



『正義の行方』被告山杠爺
監督:範元
原作:根据李『山杠爺』
主演:李仁堂 楊華
1994年/中国
V:平成20年1月21日
 とにかく景色が素晴らしい。一見そのまま撮影しただけに見えますが、実はかなりロケハンしているのでは ないでしょうか?適度に風景描写が入りそれらが全て絵葉書になる美しさでした。
 また色彩設定も良いんだよなぁ。
 肝心の内容ですが、普段映画を見慣れていないヒトにも判るように…と配慮しているのか、非常に判り易く スレた映画ファンとしては少々まだるっこしい展開でした(それでも後半になると少しづつテンポアップして いるのですが)。
 登場人物にもやや深みが欠けるのですが、それもテーマを語る為には仕方が無いかと思われました。簡単に 結論を出さず、見ているヒトの判断に任せるという形式なので。
『7セカンズ』7seconds
監督:サイモン・フェローズ
主演:ウェズリー・スナイプス
2005年/アメリカ
新橋文化劇場:平成19年2月16日
 新機軸を目指しているのは判りましたが、ソレだけ。結局一山幾ら未満にしかなっていないのでした。
 しかしナニが7秒間なんだか?


『ソウ』Saw
監督:ジェームズ・ワン James Wan
主演:ケアリー・エルウェズ Caly Elwes
ダニー・グローバーDanny Glover
2004年/アメリカ
CATV:平成18年12月29日
 登場人物をパズルのコマ程度にしか描かないタイプのスリラーにはウンザリしているのだが、コレは 違った。個々の人物がちゃんとしていて平板ではない。おかげで恐怖感などがコチラにも伝わり、楽しさが 増した。
 真相については「うげぇ?」と思わせつつ、突っ込むスキを与えずに終わらせる辺りもうまい。 少なくとも観ている間はシラけないもの。
 予算の関係か特殊メイクなどによるグロテスクな描写も抑えられていて、ギリギリの怖さと痛さなのも 良かった。コレは結果オーライなのかも知れないが(続編の噂からしてソウらしい)?
 気軽に観るにはチと痛いですが、面白いと思います。お勧め…かな?
【関連作品】
『ソウ2』2005年/アメリカ・監督:ダーレン・リン・バウズマン

『ソウ2』SawU
監督・脚本:ダーレン・リン・バウズマン
Darren Lynn Bousman
主演:ドニー・ウォールバーグDonnie Wahlberg
2005年/アメリカ
CATV:平成19年7月30日
 全然期待しないで観た『ソウ』に填まった人間としては、「今更続編ってナンでだよ?」と正直かなりバカにしつつ観始めたのですが 意外にも面白く観ました。
 まずテンポが良く時間が短いので緊張感が続いたまま最後まで退屈させないのが上手い。調子に乗ってあと10分も長くしていたら 緊張感が麻痺して慣れてしまっていたでしょう。かといってこの手の設定でダレ場は入れられないだろうし。
 またちゃんと「Saw(のこぎり)」が出て来るので“U”の名に恥じない…ってのも変な言い方ですが、前作の結末で放置された箇所を 補完しているので続編としては申し分ないのではないでしょうか?
 確かに前作と違い最初からジグソウの正体が割れているので犯人探しの興味はなく「うわぁ!そう来るか?」という衝撃は無いの ですが、それでも違うタイプの仕掛けで楽しめます。
 だけどさすがに“V”は無茶じゃないか?と思うのですが、当初バカにしていた“U”がこうだと…うーん。
【関連作品】
『ソウ』2004年/アメリカ・監督:ジェームズ・ワン