映画・演劇
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『ハードキャンディ』
『ハスラー』
『バッド・デイズ』
『パットン大戦車軍団』
『バッファロー'66』
『ヒストリー・オブ
・バイオレンス』
『陽のあたる場所』
『ビハインド・ザ・サン』

『ブラック・ダリア』
『フリーダムランド』
『風櫃の少年』


『ヘイヴン』
『ヘドウィグ・アンド
・アングリーインチ』


『北斎』
『ホステル』
『ホテル・ルワンダ』


『ハードキャンディ』Hard Candy
監督:デイヴィッド・スレイド
主演:パトリック・ウィルソン エレン・ペイジ
2005年/アメリカ
新橋文化劇場:平成19年5月31日
 もし居たらですけど、好きなヒトには申し訳ないが主演のガキの外見からしてが受け付けない。辛い3時間 (くらい長く感じられた)だった。
 正直言って導入部分からしていい加減。二人がどういう人間かという印象も無いままに始められるので、ただただ男の方が 災難に遭っているとしか思えず、終盤で「赤頭巾ちゃんの狼退治です♪」なんて展開になってもシラけたままでした。
 作者が自分に酔っているとしか思えない脚本・演出で付き合わされる方はたまったモノではない…しかも金を払って。
『ハスラー』The Hustler
監督:ロバート・ロッセンRobert Rossen
原作:ウォルター・テヴィスWalter Tevis
主演:ポール・ニューマンPaul Newman
ジャッキー・グリーソンJackie Gleason
ジョージ・C・スコットGeorge C.Scott
1961年/アメリカ
V:平成20年1月22日
 ガキの頃に『ハスラー2』を観て、ナニがなんだか判らなかった(どうした訳かチンプンカンプンだった 記憶しかない)のですが、本編を観て「あぁなるほど」傑作ではあるなぁと。微妙な言い方ですが。
 序盤のミネソタ・ファッツと対戦した時は生意気な若僧そのもの、そして最後の対戦での鬼気迫る主人公の 変貌振りは素晴らしく、ポール・ニューマンって演技派なのだなぁと失礼ながら再認識しました。
 脇役でも主人公を食い物にしようとするギャンブラーを演じたジョージ・C・スコットの邪悪さや 最後に細かい表情だけでシーンを完全なモノにしているジャッキー・グリーソンなどなど、良い感じですし。
 しかし全体としてはこの作品、どうなんでしょう?
 一応ラストに主人公が自分のスポンサーにもなっていたギャンブラーに対して「周囲の人間を食い潰さないと 生きていけないなんて、お前の方が負け犬だ」と啖呵を切り、それがテーマのようにも見えます。だけど僕としては やはり主人公こそが負け犬なんじゃないかと思われるんですよね。
 映画の中盤で主人公は恋人に向かって「煉瓦積みでもナンでも一流になればソコに偉大さが…」てなセリフを 吐くのですが、そういう意味ではギャンブラーは徹底的に悪党であり、ファッツもまた勝負への執念をもつ ハスラーです。しかしそのファッツに勝てたとは言え、やはり主人公は徹し切れていない。故に負け犬だろう、と。
 捻くれた見方ですけどね。でも負けた方が良い勝負も有るんじゃないか、と肯定的な意味でですけど。
 ちなみにエンドロールでジェイク・ラモッタの名前を発見!どうやら冒頭のカモられるバーテンらしいの ですが、なるほど『レイジング・ブル』のデニーロそっくりだなぁ♪と…って、逆か?
『バッド・デイズ』City of Industry
監督:ジョン・アーヴィン
主演:ハーヴェイ・カイテル
1997年/アメリカ
CATV:平成18年12月11日
 有名どころが出ている割には噂も聞かなかったなぁと思いつつ観たのですが、納得しました。全体的に緩くて 緊張感に欠けるのですが、まさかリメイクとは…当時のテンポで今のアレンジではそりゃ詰らないよ…。
 ファムケ・ヤンセン(読み方不明で申し訳ない、確かこんな名前)は北欧の方でしょうか?薄くて高い鼻が印象的でした、 いや美人なんですけどね、ホントに。
『パットン大戦車軍団』Patton
監督:フランクリン・J・シャフナー
主演:ジョージ・C・スコット カール・マルデン
1970年/アメリカ
CATV:平成19年3月3日
 作中でパットンを分析し続けた交戦国ドイツの将校が「彼は20世紀に生きるルネサンス人だ」 「戦場でしか生きられない悲しい人間だ」と言うセリフが有りますが、これこそテーマではないか (多分間違えてます、スイマセン)。戦争屋って感じでしょうか…平和な時代に生まれてフットボールの コーチにでもなっていたら、それなりに名物コーチとして名を残せた気がしなくも無いですが。
 製作当時泥沼だったベトナムと違い“良い戦争”だった第二次大戦の英雄パットン将軍を欠点も ある生身の人間として描いた辺りが冒険だった…なんてコトは無いか?
 主演のジョージ.C.スコットの説得力は見事で、説明的描写は一切無いものの兵士から愛される 将軍と言う役柄に理解出来ました。共感はし辛いですが。
『バッファロー'66』Buffalo'66
監督・脚本・主演:ヴィンセント・ギャロVincent Gallo
出演:クリスティーナ・リッチChristina Ricci 1998年/アメリカ
CATV:平成19年1月4日
 説明的な描写はほとんど無く寡黙な作品とも言えるが、粗筋紹介には不必要なシーンが実に雄弁な作品。 観ると言うよりは感じる作品で、合う合わないがハッキリ分かれるのではありますまいか?
 僕は合う方だと思います。ただ“個人的な体験”として他人と感想を交換したくは無い、と言うのが 正直なところでしょうか。
 ちなみにスコット・ノーウッド(作品ではウッド)がFGを外したあのスーパーボウルは僕も中継で観ていましたが、 確かにショックでした。
 ただ流れとしては相手のジャイアンツにドラマが有り、分が悪いなと。なにしろ絶対的なエースQBがまさかの故障、 プレーオフからいきなり万年控えのQBが先発するのですがコレがまた大活躍!リーグチャンピオンシップでは土壇場で 大逆転のFGが決まってスーパー進出!そして…となると主役は完全にビルズではない訳で、仕方ないかと?
 それにしても手元のパンフが見付かりません。アップ出来るように現在捜索中です。


『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
A History of Violence
監督:デイヴィッド・クローネンバーグ
主演:ヴィゴ・モーテンセン
2005年/アメリカ
新橋文化劇場:平成18年12月5日
 ミステリー的な要素を期待して言ったのだが、むしろ反暴力的と言うかもっと深かった。暴力がキチンと “痛く”描かれているのが良く、役者も全て良かった。
 なによりも語り口が大人で、淡々としていながらも時に緊迫し、すべてに過不足無いのが良い。あのラストは 評価が分かれるだろうし、解釈も異なるだろうが、そうであってこそ…の作品だと思いました。
 一人で観るより語り合える仲間と観るコトをお奨めします。
『陽のあたる場所』A Place In The Sun
監督:ジョージ・スティーヴンスGeorge Stevens
主演:モンゴメリー・クリフトMontgomery Clift
エリザベス・テイラーElizabeth Taylor
1951年/アメリカ
ビデオ:平成20年10月30日
 悪くは無かったのですが、その分だけ不満も残りました。
 まず主人公を観客に対してもう少し紹介して欲しかった気がします。例えば冒頭で「田舎者」と言われた彼が如何にして 上流社会に馴染んでいくかを描いてくれていれば、その後の野暮ったい恋人への嫌悪感(まで行ってなかったかな)も過去の 自分へのソレなのだと説得力が増したのではないか?
 また個人的には宗教的に流れたように見える終盤(刑の確定以降)ですが、その辺りについても言葉足らずではないかと 思います。序盤に街で讃美歌を歌う家族の中の少年に対して、過去の自分を見るように見入るシーンが有りますがソコでは 当時を嫌悪しているようような印象だったんですよね。それからするとラストの「改心」のようなのはちょっとなぁ。
 ラストシーンの切り方は石川達三『青春の蹉跌』のようなのを予想していたんですが、どうだったんでしょうね。 いや場面が、と言う意味で。あの検察はどうもその…。
『ビハインド・ザ・サン』Behind the Sun
監督:ウォルター・サレスWalter Salles
原案:イスマイル・カダレ「砕かれた四月」
主演:ロドリゴ・サントロRodorigo Santoro
2001年/ブラジル
CATV:平成19年3月10日
 そういう作品ではないのだが、ラストには驚いた…そう来るか?と言う感じ。まぁ良いんですけど。
 具体的に1910年などと年代設定をしているのに意味が有るのかは疑問で、そんなコトをせずもっと寓話的・神話的に してくれれば良かったのに。それで評価が下がると言うものでもないのですが個人的な好みで(原作の絡みかも知れませんが)。
 ま、面白かったかな、と。


『ブラック・ダリア』The Black Dahlia
監督:ブライアン・デ・パルマBrian De Palma
原作:ジェイムズ・エルロイJames Ellroy
主演:ジョシュ・ハートネットJosh Hartnett
2006年/アメリカ
新橋文化劇場:平成19年4月26日
 原作と監督を考えれば入り組んだ展開もムベナルカナ?前半は情感のある演出で雰囲気に浸れたし、色彩もまた 良くて心地良く観ていたのだが終盤は駆け足と言うか詰め込みすぎと言うか…付き合うのが面倒になってしまった。
[以下ややネタバレ]
 何もすべての事件を解決させなくても良かったように思いました、ブラック・ダリア事件に巻き込まれて(ってのも 変だな、刑事なんだから)人生が変っていく姿を描くだけでも充分だったかと思います。
 まぁソレをしてしまうと作風が変ってしまうし“エルロイではない”と言われてしまうそうですが、あまりエルロイは タイプではないので考えてしまった次第です。
『フリーダムランド 』Freedomland
監督:ジョー・ロス Joe Roth
原作・脚本:リチャード プライス Richard Price
主演:サミュエル・L・ジャクソン
Samuel L.Jackson
ジュリアン・ムーア Julianne Moore
2005年/アメリカ
新橋文化劇場:平成19年6月26日
 良薬は口に苦しと言いますが、本作はソレを勘違い。テーマがシリアスだからつまらなくても仕方が無いし、客はソレに 耐えるべきだと言いたげで我慢がなりませんでした。
 正直退屈です。
 原作を読んでいても理解不能な人間関係、映像という説得力のあるメディアを無駄にする画面構成(ほとんどロングショットが 無い)、セリフを喋らせておけばOKという演出…いくら役者が熱演しても逆効果でシラけたままでした。
 映画化する段階でバッサリと登場人物を減らしたのは評価の分かれるところでしょうが、むしろ削るべきだったのは 挿話であり設定ではないかと思われます。原作では意味のあるトコも映画では摘んだだけの意味の判らない演出になっていました。
 スパイク・リーならまた違った作品に出来たんじゃないかと思わなくも無いのですが…どうかなぁ?
【関連作品】
『フリーダムランド』リチャード プライス
『風櫃の少年』風櫃來的人
監督:侯孝賢Hou Hsiao Hsien
原作:朱天文T'ien-wen Chu
主演:鈕承澤 張世
1985年「アジア太平洋映画祭」最優秀監督賞
1983年/台湾
CATV:平成19年3月13日
 ブッちゃけて言うと話しらしい話は有りません。田舎モノでチンピラ未満の出来損ないが兵役前の一時期を地方都市で過ごす …という雰囲気だけの作品です。
 とはいえコレが心地良く、洗練されていない演出は誠実さを感じさせ、かつ据えた泥臭くささ無い。まさに“侯孝賢的”な 作品だと思います。『悲情城市』以前の、ですが。
 個人的には台湾の景色が観られるだけで幸せなので、幸せな作品でした(ナンダカナァ)。


『ヘイヴン堕ちた楽園』Haven
監督・脚本:フランク・E・フラワーズ
主演:オーランド・ブルームOrlando Bloom
2006年/アメリカ
新橋文化劇場:平成19年8月2日
 冒頭から物語が前後し“読ませる”語り口。引っ張り込むのが上手い。
 猟師の息子で使用人の息子シャイは、社長の娘と恋愛中。しかし彼女の兄は彼を 毛嫌いしており…という話を中心にいくつかの交錯して話が展開されるのですが、 ややこしいと言えばややこしい。なにしろ時間が行ったり来たりするし、個別の エピソードも全てを語る訳ではなく空白を自分で埋めさせるので。
 ただその匙加減が良いので最後まで惹かれるんですよね。個々のキャラクターも 存在感があるし。
 しかし惜しむらくは面白いのですが、いまいち最後まで入り込めない。
 コレは多分筋を追うのに関心が行ってしまうからであり、ある程度引き込んで以降の 展開は、普通の話法に変えても良かったんじゃないかと思います。そうすれば余計は 労力を使わせずに悲劇なりナンなりに入り込めたでしょうに。
 ただなぁ、粗筋だけで言うと全然楽しい映画というか、訴えてくる作品ではないん だよなぁ…。
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』
Hedwig and the Angry Inch
監督・脚本・主演:ジョン・キャメロン・ミッチェル
2001年/アメリカ
CATV:平成19年5月6日
 観ながら楽曲の磨きこまれ具合や物語の進め方などからそうではないかと推測していたのだが、案の定ミュージカルが 原作だった。だが舞台では出来ない(であろう)表現を駆使していたので、ソチラのファンの人でも別物として楽しめたの ではないか?
 もちろん僕も面白かったが。
 劇中で使われていたプラトンの『饗宴』からの引用は僕も惹かれたエピソードなので特に印象深かった。多分あの本の中では 一番印象的なんじゃないか?蛇足ですが。


『ボウリング・フォー・コロンバイン』
BOWLING FOR COLUMBINE
監督・主演:マイケル・ムーアMichael Moore
2002年/カナダ
CATV:平成19年10月1日
 以前に『華氏911』を観た時は“とにかくブッシュは嫌いだ”という印象しか受けなかったのですが、 その前作に当たる本作はマシなんじゃないか知らん。ネット上などでちょいと感想などを検索すると 意図的な編集(基本的に製作の意図とソレを語る為の編集無くては話にならないが、 作為的に事実を歪めている…という意味での“意図的”)なども指摘されていて、完全に公平では 無いのは判りますし、ラストのはちょいとあざとい気もしますが。
 ただ全体的にアレもコレもと話していくうちに取り止めがなくなるのは僕も経験が有りますし、加えて 誠実に話そうとすればするほどソレにはまるというのも判ります。だから纏まりに欠けるような気のする 本作も誠実だ!とまでは言いませんが、好感は持てました。
 最近では珍しく2時間観ても退屈しなかったし。
 銃器による犯罪が多い原因について、銃社会である、経済格差や貧困が原因である、他人種が混在している 社会が摩擦を生んでいる、などという僕らが日頃耳にしている話を隣国カナダと比較している件は傾聴に 値するかと思います。
 それにしてもサッチモの“素晴らしき世界”の使い方の秀逸さ♪名曲の安易かつ下品な使い方に ウンザリしていただけに僕としては嬉しく思いました。
『北斎』
監督:勅使河原宏
セリフ:河原崎長十郎
1953年/青年ぷろだくしょん
CATV:平成19年2月7日
 面白いと言えば面白かったのですが、20代半ばの青年がなぜこういう作品を?という 気がしなくもありませんでした。
 北斎の作品をコラージュしていたりして斬新(とまでは言絵ないか?)であったりはしますが…。
『ホステル』Hostel
監督・脚本:イーライ・ロス
製作総指揮:クエンティン・タランティーノ
主演:ジェイ・ヘルナンデス
2005年/アメリカ
新橋文化劇場:平成19年4月26日
 なんか単純に下らなくてドコが良いのか僕には判らなかった。口笛を吹きつつ拷問用具を片付ける タイトルロールだけは良かったけど。
 しかしそんなに拷問シーンも凄かったかなぁ?海外でのモノと国内版では違うんでしょうが、少なくとも ソレほどとは思えない。話がチャンとしている訳では無し(一応体裁は整えていたが話を追う楽しさは無い) 個々のキャラクターも印象が薄く、Q.Tもその辺り手を貸してやれよという感じ。
 日常に潜む狂気だとかテーマは有るのかも知れないがまるで伝わらず、またユーモアのつもりのシーンも まるで笑えない(悪趣味で、と言うのではなくホントにつまらない)。正直僕にとっては時間の無駄でした。
『ホテル・ルワンダ』Hotel Rwanda
監督・脚本:テリー・ジョージTerry George
主演:ドン・チードル ソフィー・オコネドー
ホアキン・フェニックス ニック・ノルティ
2004年/イギリス・イタリア・南アフリカ
CATV:平成19年12月28日
 公開までに紆余曲折が有ったと言いますが、そんな情報から受ける説教臭いのではないか? というような先入観を裏切る面白さでした。
 我々と同時代に現実に起きたルワンダでの大量虐殺を描いた作品に対してソレは無いだろうと 言う感じですが、悲惨な現実を描きながらギリギリ娯楽としてのバランスも保っておりやはり 面白いと言うのが正直な感想です。
 この先どうなるんだろうとハラハラさせる展開や様々な形で主人公に突きつけられる殺戮の 現実は恐ろしく、そんな中でもホテルマンとしての品格を失うまいとする主人公の姿には素直に 心を打たれます。また無力感に苛まれるニック・ノルティやホアキン・フェニックスも苦くて 良かった。
 ただ個人的にはもっと苦くても良かったと思うんですけどね。
 もっとも一人でも多くのヒトに観て貰い、少しでも多くのヒトに事実を知って貰うコトを第一に 考えるのなら、コレくらいの調節も良いかなと。
【関連作品】
『ルワンダの涙』監督:マイケル・ケイトン・ジョーンズ2006年/英・独